アーカイブタイムスタンプは、PDFに署名または文書タイムスタンプが付与されて以降、改ざんが行われていないことを証明するために付与するものです。
署名や文書タイムスタンプが付与されたPDFに新しいアーカイブタイムスタンプを追加すると、オンラインで確認された最新の情報においても問題が無いということが証明されます。
こうして証明されたそのPDFの信頼性は、追加されたアーカイブタイムスタンプの有効期間の間は保証されます。
これを定期的に繰り返すことで、結果的にPDFの信頼性が保証される期間が延長され続けることとなり、PDFの長期保存と長期保証が実現します。
以下の署名やタイムスタンプに対しては、本製品でアーカイブタイムスタンプを追加することが可能です。
ただし、いずれも対象となる署名またはタイムスタンプが有効期間内である必要があります。
タイムスタンプ |
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署名 |
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アーカイブタイムスタンプは、署名やタイムスタンプに使用された証明書の有効期間内に付与する必要があります。加えて、署名やタイムスタンプの付与後、証明書の認証局によって証明書失効リスト(CRL: Certificate Revocation List)が更新された後であるのが理想的です。
なお、アーカイブタイムスタンプを追加する最適な頻度は、ユーザーが適宜判断する必要があります。
非常に重要な文書であれば、定期的にアーカイブタイムスタンプを付与することで、そのPDFに改ざんがないことを長期間にわたって証明し続けることができます。一方で、それほど重要でない文書や短期間でその役割を終える文書の場合、頻繁にアーカイブタイムスタンプを更新する必要はありません。
文書の重要性や、その信頼性をどの程度の期間保つ必要があるかによって検討してください。
署名の場合、長期保証に必要な次のアクションとその期限は[検証]-[署名検証]-[署名のプロパティ]-[PAdES]タブで確認できます。
長期保存および長期保証を目的としてPDFに署名やタイムスタンプを付与した場合、アーカイブタイムスタンプを追加する必要があります。
当社の旧製品SkyPDF Professional 2012 / 2016の「NECプラグイン長期署名オプション」を使用して作成され、現在も検証結果が正常であるCAdES署名(以下、NEC長期署名)は、本製品でアーカイブタイムスタンプを追加することは可能です。ただし、新たにこの長期署名を付与することはできません。
本製品は、NEC長期署名のうち以下のフォーマットにのみ対応しています。
CAdES-T | 基礎的な署名と、その署名値に対するタイムスタンプを含むフォーマットです。 CAdES-Aを追加することで延長が可能です。 |
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CAdES-X Long | 既存のCAdES-Tに対し、検証情報と参照情報を追加します。 アーカイブタイムスタンプを含まないため、有効期間は延長されていません。 CAdES-Aを追加することで延長が可能です。 |
CAdES-A | 既存のCAdES-Tに対しては、検証情報への参照情報、検証情報、アーカイブタイムスタンプを追加し、有効期間を延長します。 既存のCAdES-X LongおよびCAdES-Aに対しては、アーカイブタイムスタンプを追加して、有効期間を延長します。 アーカイブタイムスタンプを追加する毎に、有効期間を延長していくことができます。 |
NEC長期署名の有効期間は、CAdES-A(アーカイブタイムスタンプ)を追加する毎に延長されます。タイムスタンプの有効期間が過ぎてから延長することはできません。
PDFの長期保存を目的としている場合は、最新のアーカイブタイムスタンプの[タイムスタンプトークン情報]からTSA証明書の有効期間を確認し、有効期間を過ぎる前に、定期的にCAdES-Aを追加してください。